「好きなことで生きていく」という言葉が、若い世代を中心に広がっています。夢を追うことは美しい。しかしその言葉の裏側に隠れた現実があります。やりたいことを続けるにも、挑戦するにも、お金という土台がなければ長くは続かない。私自身の17年以上の社会人経験を振り返りながら、お金と夢と仕事の関係について、正直に書いてみたいと思います。
大学卒業後、選んだのは「やりたいこと」ではなかった
大学を卒業するとき、私はやりたいことより収入を優先しました。
夢がなかったわけではありません。やってみたいことも、なんとなく描いていた将来像も、あるにはありました。しかし現実を前にしたとき、「まずは食べていける収入を確保する」という判断をしました。
若い頃の自分に「本当にそれでいいのか」と問われたら、正直に答えるのは難しい。でも今振り返ると、あの選択は間違っていなかったと思っています。
やりたいことではなくても、一生懸命やれば見えてくるものがある
最初から情熱を持てる仕事に就ける人は、それほど多くありません。多くの人は、「これがやりたかったわけではないけれど」という気持ちを抱えながら、それでも毎日職場に向かいます。
私もそうでした。はじめは情熱があったわけではない。でも与えられた仕事に一生懸命向き合っていると、いつの間にか楽しさが見えてきました。仕事の面白さとは、最初から与えられるものではなく、やり続けることで少しずつ育っていくものだと気づきました。
そしてそれなりの経験が積み重なっていった。人との関係、仕事の段取り、お金の流れ、組織の動き方——どれも、やりたい仕事ではなかったとしても、その場で一生懸命だったからこそ身についたものです。
「やりたいことじゃないから」と手を抜いていたら、何も残らなかった。どんな仕事も、全力で向き合えば必ず何かを返してくれます。
お金という土台が、選択肢をつくる
17年以上働き、収入を積み重ね、新NISAで資産を育て、固定費を見直してきた。
その結果として今、手元にあるのは資産だけではありません。選択肢です。
やりたいことに挑戦するとき、お金の土台がある人とない人では、スタートラインがまったく違います。土台がなければ、挑戦の途中で生活のために諦めなければならない。土台があれば、たとえ最初はうまくいかなくても、続けることができます。
「好きなことで生きていく」という言葉は本当です。しかしその前提として、生きていくためのお金が必要です。夢とお金は対立するものではなく、お金があってこそ夢を追い続けられる。これが17年以上かけて私が実感してきたことです。
人生は一度きり――40代、今やってみたかったことへ
そして今、40代に入ろうとしています。
時間には限りがあります。30代でしかできないこと、40代でしかできないこと——その意味を、今は身をもって感じています。
これまで収入を優先して働いてきた。一生懸命やってきた。お金の土台もある程度つくってきた。だとすれば、次の章で問うべきことはひとつです。「自分は本当は何がしたいのか」。
人生は一度きりです。やってみたかったことを「いつか」に先送りにしたまま老いていくのは、あまりにももったいない。40代という、体力と経験がまだ同居しているこのタイミングで、ずっと心の奥にあった挑戦に踏み出すことにしました。
うまくいくかどうかは分かりません。でも、やらずに後悔するより、やって後悔する方がずっといい。そしてこれまで積み上げてきた土台があるから、たとえ転んでも立ち上がれると思っています。
若い人へ、伝えたいこと
もし今、「やりたいことができていない」と感じている20代・30代の方がいれば、こう伝えたい。
今の仕事を一生懸命やることと、将来の夢を諦めることは、イコールではありません。
今の仕事で積み上げる経験・人間関係・お金は、すべて未来の土台になります。やりたいことではなくても、全力で向き合えばそこに楽しさは生まれます。そしてその積み重ねが、いつかやりたいことに踏み出すときの「足場」になります。
夢を先送りにするのではなく、夢に向かうための土台を今つくっている——そう考えると、今日の仕事の見え方が少し変わるかもしれません。
まとめ
- やりたいことに挑戦するにも、続けるにも、お金という土台が必要
- やりたい仕事でなくても、一生懸命向き合えば楽しさと経験は必ず生まれる
- 収入・資産・経験の積み重ねは、将来の「選択肢」をつくる
- 人生は一度きり。土台が整ったなら、やってみたかったことに踏み出す番
- 今の仕事を全力でやることと、夢を追うことは矛盾しない。今が未来の土台をつくっている
お金は目的ではなく、人生をより豊かに生きるための手段です。そしてその手段が整ったとき、人は初めて本当にやりたいことへ向かえる。


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